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これより先に書かれた事を実際に実行しても、一切の保障はない。
これより先は「常識外の使い方」につき、閲覧は理解できる人に限る。
ここに「スルッとKANSAI 3day・2dayチケット」なるフリー切符がある。この切符の価格は2009年4月現在、大人用5000円、子供用2500円で、発売する箇所と有効期間の違う3種類が発売されている。
種類 | 有効期間 | 発売場所・入手方法 |
---|---|---|
「全国版3day」 | 有効期間内で連続した3日間有効(2009年4月より発売・交換期間及び有効期間が設定され、設定された期間までにクーポンを交換し使わないと効力を失う。) | クーポンを取り扱いのある旅行会社各主要支店・主要営業所・主要旅行センターで発券してもらい、そのクーポンをフリー区間内の指定された交換場所で交換する。近畿2府4県及び三重県下の旅行会社各支店等は除外されている。 |
「全国版2day」 | 有効期間内で任意の2日間有効(発売・交換・有効期間の設定は上記「3dayチケット」と同じ) | 上記「全国版3day」と同じ。 |
「関西限定版3day」 | 有効期間内で任意の3日間有効 | 関西2府4県内の指定された駅・バス案内所等で発売する。三重県内においてはフリー区間に含まれる有人改札駅(名張・桔梗が丘・伊賀神戸)でのみ発売する。「関西限定版3day」の発売箇所はこのページの一番最後に記した「スルッとKANSAI 3dayチケット関西限定版」専用ページ(のURL)を参照すること。 |
違うのはその部分だけで、
の2点については全く同一内容となっている。
この切符については、横見裕彦氏が「この想いを覆すきわめて衝撃的ともいえる切符」と著書「JR全線全駅下車の旅」で評価しており、JR全線全駅下車のみならず私鉄全線全駅下車にも彼を駆り立てた要因の一つになっているようだ。だがこのフリー切符は「文句なし」と褒め称えるほど完璧なものではない。乗車可能な路線及び区間は「この値段でここまで利用できるなら」と褒めるが、優待特典については残念ながら「何か物足りない」感じがある。
「スルッとKANSAI 3day・2dayチケット」が利用可能な路線・区間は広範囲に及ぶ。行こうと思えば西は姫路、南は和歌山や高野山、東は石山寺、そして北は比叡山延暦寺にまで行けてしまう。これだけ広範囲であると、フリー区間には入っているが沿線の観光施設等での優待特典がない路線は、その路線を利用する価値が半減してしまうから沿線在住者以外には利用してもらえない。広範囲に散らばる「優待特典対象施設」は、恐らくそこを意識して設定されているんだろうと思う。思うが……観光客が多い神戸北野地区、大阪市内、そして京都洛北地区における優待特典の少なさはあんまりではないか?
もちろんその周辺地域、例えば大阪市内では周辺の堺市や吹田市、京都洛北地区なら京都市内全域にまで範囲を広げてみると、結構な数の施設等で優待特典を受けることが出来る。だが上記各地区の観光施設や寺社等で優待特典を受ける方法は他にもある。それを使って受けられる優待特典の内容と比較すると、「3dayチケット」の内容は「物足りない」ように見えてしてしまうのだ。この「物足りないように見えてしまう優待特典」を、私はこのページでは以降、「優待特典の抜け落ち」と呼ぶことにする。この「優待特典の抜け落ち」が価格据置のまま少しでも改善されたなら、ずばり言うと各地区で1つでも多く優待施設が増えたら、「スルッとKANSAI 3day・2dayチケット」は全国的にもっと有名になるのではないかと思っている。
「スルッとKANSAI 3day・2dayチケット」の全体的なことに関する話はこの程度にしておいて、ではこの「優待特典の抜け落ち」地区をその「他に優待特典を受ける方法」を使って巡ったら、「3dayチケット」を使うよりも本当に「お得」に巡れるのか? そもそもその方法は「成立」するのか? 2つのフリーきっぷ共に価格の元は取れるのか? その疑問を解決するため、試しに実行してみた結果こそ、「鉄道旅行とは『巡る』こと」2006年4月30日付け日記より4日間に渡って書いた「あの」旅行記である。結論から言うと、使い方を間違えたがために元なんか全然取れなかった。何故元が取れなかったのか、その理由を次の章で示す。
なお、もう一度書いておくが、以降で「全国版3day」は連続3日利用可能な「スルッとKANSAI 3dayチケット全国版」を、「関西限定版3day」は使用可能期間中好きな3日使える「スルッとKANSAI 3dayチケット関西限定版」を、単に「3dayチケット」と言ったら「スルッとKANSAI 2dayチケット」を含めた3種類全部をまとめて指す。3つの表記が出てくるので混同されないようお願いする。
「優待特典の抜け落ち」があることは上記に書いた。このうち2006年4月末から4日間の日程で実行した旅行では、京都洛北地区での「優待特典の抜け落ち」を埋めるために「叡電1日乗車券」と「京都観光1日乗車券」を、神戸北野地区での「優待特典の抜け落ち」をカバーするために「神戸街遊券」を使用した。その結果が散々たるものだったことは、該当する日記を最後まで読んでいただければよく分かる。それぞれの考え方はこうだ。
京都洛北地区における優待特典は、寺社仏閣だけに注目すると「曼殊院」の拝観料割引しかない。一方、京都地区ではお馴染みとなった「京都観光1日乗車券」も同じく「曼殊院」しかない(同2日乗車券も同一の特典内容)。ところが叡山電鉄が発売する「叡電1日乗車券 えぇきっぷ」(以降、「えぇきっぷ」)もしくは京阪電鉄が発売する「鞍馬・貴船1dayチケット」は、曼殊院以外にも拝観料割引特典を受けることの出来る寺社仏閣がある。ならばこれを使え、と。だがここで大きなミスを犯す。それは各フリー切符の内容を旅行の計画段階できちんと比較しておかなかったこと。いわば「その場の思いつき」で実行したのだった。そして旅行を終えてから気づく。元なんか取れてねぇorz。「旬菓 一乗寺 中谷」の買い物代金が10%引きになるが、その額を200円(10%引き後税込み2270円)としても、全く元なんか取れていない。
区間・施設 | 料金・割引額(円) |
叡電・出町柳〜一乗寺 | 200 |
叡電・修学院〜岩倉 | 200 |
岩倉実相院 | 50(1割引? 2割引?) |
叡電・一乗寺〜出町柳 | 200 |
合計 | 650円? |
ネット接続環境を一通り整えることができたので、改めて「3dayチケット」と「えぇきっぷ」、そして「京都観光1日乗車券」の各優待特典を比較してみた(使用したのは「関西限定版3day」だが、その優待特典は「3dayチケット」のそれと同じである)。
これらを差し引いていくと、「えぇきっぷ」を利用すればお得になるのは、岩倉実相院や金福寺、八大神社、瑠璃光院、妙満寺など、岩倉エリアの各寺社に拝観する場合に限られることが分かった。
さらに、出町柳駅へ向かうための移動にかかる費用、及びそこから戻ってくるための費用を「京都観光1日乗車券」で代用したのもかなりまずいやり方だった。京阪沿線の駅最寄にあるホテル以外に宿泊していたのだが、「鞍馬・貴船1dayチケット」を京阪三条駅で買い、京阪三条駅までの往復は「市営地下鉄1dayフリーチケット(大人用600円)」で代用すれば必要十分だった。京阪三条駅へ戻ってきた後に、京都市営地下鉄東西線と烏丸線を乗り継いで京都駅まで来て、それから京都タワーでも撮影してホテルに戻れば同フリーチケットの元は取れたのだ。
洛北地区の「抜け落ち」を埋める方法は上記の通り、使い方を間違えると完全に元が取れない方法でもある。人にお勧めできるやり方ではないし、誰も真似することは絶対ないと考える。
「洛北地区」の話は向こうに放り投げておいて、神戸市内の「抜け落ち」を埋める方法も試した。それは「神戸街遊券」を「3dayチケット」と一緒に使う、という手だ。「神戸街遊券」は神戸市内の主要観光施設59施設に共通で使用できるクーポンセットで、入館したい施設の入場料に相当する点数分の券を本体から切り取り、入館券等販売窓口で渡せば入館券等と交換できる。2009年4月現在、1冊(1500円分)が売価1300円、2冊セットだと売価2500円である。しかしこの方法も改めて検証してみると「洛北」同様、筋違いの使い方をしていたことが分かった。
「神戸街遊券」が利用できる施設の多くは「3dayチケット」の優待特典対象施設にも含まれる上、複数の施設の入館券がセットになった「セット入館券」も多数存在する。特に神戸北野地区にある異人館群の一部はグループに分かれており、グループごとに複数館セットの入館券を発行している。このセット入館券の割引率が、ものによっては「神戸街遊券」の割引率よりもはるかに高いのだ。ちなみに「神戸街遊券」の割引率は1冊の場合約14%、2冊セットだと約16.6%引きである。
グループ名 | チケット名 | 入館可能な施設数 | 通常料金(大人) | チケットの発売額 | 割引率(小数点第2位以下切捨て) |
---|---|---|---|---|---|
うろこの家グループ | 9館特選入館券 | 「うろこの家」及び「うろこ美術館」を含む全9館 | 4700円 | 3500円 | 約25.5% |
香りの家オランダ館グループ | 3館割引パスポート | 3館 | 1700円 | 1300円 | 23.5% |
萌黄の館・風見鶏の館 | 2館共通券 | 2館 | 600円 | 500円 | 16.6% |
そういうわけだから、「神戸街遊券」の優待特典リストにはあるが「3dayチケット」側にはない施設、あるいは両方にあるが「3dayチケット」優待特典での割引率が14%未満となる施設を、それも単館で見て回る形以外では、かえって損になってしまう。以下に例を一つ出す。「神戸街遊券」1冊(1500円相当が1300円)を使って、入館する施設を以下の表のように選んだとする。だがこの組み合わせでは「3dayチケット」の優待特典を利用したほうが安上がりになる。
施設名 | 通常料金・円(=「神戸街遊券」で支払う料金相当額) | 「3dayチケット」優待特典での割引料金・円 |
---|---|---|
萌黄の館 | 300 | 240(20%引き) |
UCCコーヒー博物館 | 210 | 160(約23%引き) |
KOBEとんぼ玉ミュージアム | 400 | 300(25%引き) |
神戸ポートタワー単館 | 600 | 500(約16%引き) |
割引後の合計 | 1300円:UCCコーヒー博物館の入館料に相当する点数は4点(200円)で計算。 | 1200円 |
改めて、2006年の旅行において「神戸街遊券」を使用した施設を見てみると、以下の6つに対して使っていたことが分かった。すべて「単館」で見て回ったのだが、考えてみればあまりにも「変」な巡り方になってしまっている(今回の旅行でもそれは同じ)。こんな変な使い方はやっぱりしない方が無難だ。なお、現在「神戸海洋博物館」には川崎重工業の企業ミュージアム「カワサキワールド」が併設されていて、入館料が改定されている。
施設名 | 通常料金 |
---|---|
萌黄の館 | 300円 |
仏蘭西館 | 500円 |
旧パナマ領事館 | 500円 |
うろこの家 | 1000円 |
神戸海洋博物館 | 200円? |
神戸ドールミュージアム | 500円 |
この項の終わりにネタを一つ。2006年の旅行中、ある異人館の窓口で「神戸街遊券」を出したら、「複数館セット割引券が買えますけど」と言われた……そういう記憶がある。しかし「神戸街遊券」1000円分がセットされる「神戸観光1dayクーポン」では、その専用ページに「各種割引券や優待券との併用は出来ない」という内容の一文がある。私の記憶違いだったのか、それともセット割引券は「神戸街遊券」で買えるのか? それ以前に「神戸街遊券」の点数券は「割引券」扱いか、それとも「金券と同等のもの」扱いか……どっちですか、神戸観光コンベンションビューロー。
「変な方法は使わない方がいい」と書いておきながら、大阪市内の「優待施設の抜け落ち」をカバーする方法も考え出してしまった。この方法を実現するためには、「スルッとKANSAI 大阪周遊パス」(以降、「大阪周遊パス」)か「OSAKA海遊きっぷ」のいずれかを買う必要がある。
「大阪周遊パス」は市内の25施設に1度ずつ入館でき、「OSAKA海遊きっぷ」は「海遊館」の入館料がフリー切符とセットになっている。2つのフリー切符で入館できる施設の多くは「3dayチケット」の優待特典リストにも入っているが、あくまでも「3dayチケット」のは「割引」であって「入館料込み」ではない。海遊館の割引料金と「大阪周遊パス」で1度ずつの入場が認められている施設の団体割引料金、そして「大阪市交通局共通一日乗車券」の価格を調べてみれば、この違いはものすごく大きいことだと理解できるだろう。「3dayチケット」の優待券は優待特典を提供する施設全てに共通して使えるから、「OSAKA海遊きっぷ」や「大阪周遊パス」で入館可能な施設以外、例えば岸和田城やだんじり会館などで使えばいい。
全ての物事には長所もあれば欠点もある。いくつかあるが、特に要注意すべき点として、この2つのフリー切符はフリー区間や発売される駅が全く違うというという点が挙げられる。京阪拡大版を例に取り、2つの切符の有効区間と発売駅を表にして示しておく。
大阪周遊パス | 違い | OSAKA海遊きっぷ |
---|---|---|
2200円 | 価格(大人用) | 2800円 |
大阪市営地下鉄・市バス全線・ニュートラム 阪急・阪神・南海・京阪・近鉄の各大阪市内エリア 京阪本線「千林〜樟葉」及び交野線「枚方市〜私市」 | 有効なフリー区間 | 大阪市営地下鉄・市バス全線・ニュートラム 京津線・石山坂本線・ケーブル線を除く京阪線全線 |
中之島、渡辺橋、淀屋橋、天満橋、京橋、守口市、寝屋川市、香里園、枚方市、樟葉の各駅 | 発売する駅 | 中之島、渡辺橋、淀屋橋、天満橋、京橋、守口市、寝屋川市、香里園、枚方市、樟葉、中書島、丹波橋、祇園四条、三条、出町柳の各駅 |
上記の有効フリー区間及び発売する駅を見れば一目瞭然だろう。このページを作成している時点において、京阪版だけでなく、他の各社拡大版も「大阪周遊パス」については、共通してフリー区間や発売する駅の範囲が狭い。また、「OSAKA海遊きっぷ」の発売はするが「大阪周遊パス」の発売は行っていない鉄道会社もある。そして2つのフリー切符の各社拡大版に共通して、ある拡大版エリアから基本となる大阪市内エリアを経由して、別の拡大版エリアへ抜けることはできないという制限も付く。
2つとも基本フリー区間に大阪市営地下鉄を含むため、大阪市営地下鉄各線の駅が最寄にある宿泊施設を選べばさらに別の乗車券等を買う必要はない。その点は「京都洛北」よりは条件的にいい。2つとも「割引特典」ではなく「入館料込み」だから、「神戸北野」向けに考えた方法よりはかなりマシな条件だ。うまく使うことが出来れば観光施設等の見学費用を少しでも安くすることができそうではある。ただし、使い方を間違えると最悪の事態を招きかねないという点は全く同じ。普通の人にはまず理解されない話だろう。
そんなわけで、次の章では「3dayチケット」と「大阪周遊パスもしくはOSAKA海遊きっぷ」をどう活用すべきか、考え出した方法を書いておくことにする。書くことはあくまでも「ヒント」であり、こうするべし、という話ではない。だいたい、以下に語る手順は各発売社局非推奨なんだから、そのまま鵜呑みにして旅行を計画し、もし仮にうまく行ったとしても、他人に語ったらそれこそ笑い者にされるだけだ。
これを「ネタ」だと笑い飛ばせる人だけ下にスクロールせよ。
では実際にどう併用すべきか。基本的には大阪エリア以外を「3dayチケット」で見て回り、「OSAKA海遊きっぷ」もしくは「大阪周遊パス」の利用を第1日目か最終日にすれば無難である。しかしながら旅行第1日目は出発駅からの移動で、最終日は逆に出発駅への移動に時間が割かれ、いずれの日も朝から夜まで目一杯利用することは不可能である。そうなると25施設の料金込みとなる「大阪周遊パス」では、各施設を見て回るための時間が取れず、結局元が取れなくなるという可能性もある。第1日目か最終日に使うなら、「海遊館」の入場だけで元が取れる上、各社拡大版のフリー区間も比較的広い「OSAKA海遊きっぷ」を選択すべきだと思う。大阪海遊館を馬鹿にしてはいけない。あの回遊水槽の大きさは特筆すべきものである。海遊館自体の話はともかく、例えば名古屋発着の場合、以下のように行程を決めて使えばいい。
もしくは
2つ目の行程と同じやり方をする場合で、名古屋地区発着かつ近鉄特急「アーバンライナー」を帰路に利用するなら、以下の様な買い方・使い方をすると帰路行程にかかる移動費用を少し安くすることができる。別に「近鉄拡大版」を「大阪市営地下鉄」の駅から使い始めてもいいはず、という勝手な想像のみでこの方法を示しているので、保障はしない。
この方法で近鉄名古屋駅に戻ると「名古屋〜青山町」間運賃は1410円。一方、名古屋〜大阪難波間運賃は2300円、差額は890円だ。前述した「海遊館」割引料金とこの差額の合計を「OSAKA海遊きっぷ近鉄版2」の発売額から引けば、残額はたったの310円になる。つまり、市営地下鉄で海遊館に行って戻って、帰りは上記の手順を踏んで近鉄「アーバンライナー」で帰ってくるだけで、わずかではあるが元が取れる計算になる。なお、あえてもう一つ言っておくと、「名古屋〜青山町間運賃+アーバンライナー名古屋〜難波間レギュラーシート料金」の合計(3260円)とほぼ同価格帯で、チケットショップが「名阪まる得きっぷ」をばら売りしている。「名阪まる得きっぷ」を最安値で販売しているチケットショップを探す手間を考えれば、こちらの方がはるかに安上がりだ。
「OSAKA海遊きっぷ」を使うやり方は以上の通りだ。まだこんなのは「どノーマル」路線である。何しろ次の章で語るのは、各社拡大版のフリー区間が「OSAKA海遊きっぷ」よりも狭い「大阪周遊パス」を、それも「スルッとKANSAI 3dayチケット関西限定版」(以降、「3day関西限定版」)と組み合わせて使用する、という正気の沙汰ではない方法だ。計画をしっかり立てないと元取りどころか、旅行計画そのものが破綻し、語ればネット上で晒し者になってしまう。もう一度言う。以降に示す考え方をそのまま旅行計画に盛り込んで実行しても、その結果は管理者である私はもちろん、スルッとKANSAI協議会及び加盟各社は一切何の保障もしない。ツッコミ上等。安易にやるべからず。でも管理者本人はやる気満々。
あなたの選択はどっちだ?
スクロールしたな。しちゃったね。やっぱり興味あるのね。アンタ、私よりも「テツ」かもよ。
……いやいや、失礼。こんな考え方は「スルッとKANSAI」エリア在住の鉄道ファンなら、いや、非鉄道ファンでももう誰でもやっていると思う。何のことはない。「関西限定版3day」と「大阪周遊パス」を日程内で切り替えて使う、というだけの話。例えば4月1日に「3day関西限定版」、2日に「大阪周遊パス」、そして3日及び4日で残る「関西限定版3day」の2日分を使い切る、といった感じだ。要は優待特典が「上」の「大阪周遊パス」一枚で、大阪市内の観光施設入館料を全部まかなってしまう、というのがこの方法だ。しかし、使用する「大阪周遊パス」のフリー区間及び発売する駅の関係上、宿泊する場所が限られてしまうのが最大の欠点である。
「3dayチケット」の元を取ることが最優先だから、第1日目の宿泊は1日目に回った観光地かその近くで宿泊したい。そうすれば「関西限定版3day」をその日の終電まで(まぁまずないだろうが)使うことができる。「フリー切符は夜も使え」とは私が幾度となく繰り返している言葉だ。それでいてなおかつ、「大阪周遊パス」の使用日には余計な運賃がかからないようにしたい。その点を考慮して各拡大版のフリー区間をもう一度見てみると、特定の観光地最寄り駅をフリー区間内に持つ「拡大版」が4つもあることが分かる。()内にその観光エリア内で利用可能な駅を挙げておく。
南海拡大版はちょっと微妙かもしれない。堺にも見るべきところはいっぱいあるので入れておいた。京阪拡大版は前述の通り、京都方面へのエリア拡大がないから外した。泉北高速鉄道拡大版も残念ながら対象外だ。これは「南海拡大版」で代用できる。基本である「大阪エリア版」はこの目的に合致するように見えるが、「関西限定版3day」を使った翌日に「大阪周遊パス」を使う場合、購入が大阪市内に限られるのが枷となってしまう。つまり、「大阪周遊パス」を使用する日の前日に観光地を見て回った後、その日の宿泊は観光地周辺の宿は使えず、大阪市内(の発売可能な駅近く)まで移動しなければならない。「関西限定版3day」の元を取らなければならないことも考えると、「大阪エリア版」をこの目的で使うのは避けなければならない。
次に考えることは、「大阪周遊パス」を使う前後にどこへ行くか、そしてどこで泊まるかという2つの点。それを確定させて、初めて実際に使うフリー切符が決まる。
大阪市内は大阪周遊パスで見て回るから、「関西限定版3day」ではそれ以外のいずれかの観光地を見て回ることになる。ところが大阪周遊パスを使用する前の日と使用日当日は、使用する大阪周遊パスのフリー区間内にある駅のうち、いずれかの駅最寄の宿泊施設に絶対に宿泊しなければならない。例えば「南海拡大版」だと前泊が堺駅付近、使用日当日は難波駅付近、といった感じだ。そうでないと貴重な「3day関西限定版」の1日分を使うことになるか、もしくは運賃を別途に払うことになってしまう。「いつ、大阪へ行くか、そしてその日以外はどこへ行くのか」……あとはしっかり考えてメモにでも書き出す。もちろん傍らには「JTB私鉄時刻表西日本版」の最新号を絶対に置いて!
宿泊地の組み合わせはこの方法を使う限り、そんなに多く存在しない。しかしこの方法を使用することで行ける場所は多数存在する。そこら辺は個人個人でじっくり考えていくしかない。少なくとも、だ。上記の考え方を使って旅行を計画し実行した結果、フリーエリアまでの往復運賃とフリー切符の代金以外に運賃を一切払わなかったら、もはやアンタの立てた旅行計画は私の立てた計画を越えてる。成功した方、ブログやホームページへのリンクを「鉄道旅行とは『巡る』こと。」に下さい。ていうかやる奴俺以外に絶対いない。
ここまでたっぷり長々と書き連ねてきて、一番最後に「2009年4月」実行予定分の旅行について、その計画のベースとなる「考え方」を以下に書いておく。まずは前提条件から。今回の旅行はこれを全部満たせなければ「正常終了」とは書けない。なお、「エリア」と書いている部分は「関西限定版3day」及び「大阪周遊パス」の有効フリー区間を指す。
4番目の条件は、フリー区間対象路線が私鉄線に限られるため、あまり長距離を移動するとその分時間がかかってしまうから。5番目の条件は例によって「帰りは近鉄アーバンライナーで帰る」という話。帰路行程に近鉄特急「アーバンライナー」を使う場合のみ、ある方法が使える……という件については既に語ったからここでは説明しない。
さて、上記「前提条件」を満たした上で使う順番と宿泊する場所、行く場所を決めると、だいたい以下のようになった。今回予定する旅行で行くべき場所は「京都・大阪・神戸」とした。高野山は何度も行っているから今回はパス。奈良については前述の通り、「3dayチケット」では奈良交通バスやエヌシーバスが利用できず、駅に着いてからの移動が大変だ。近鉄フラワーレンタサイクルでレンタサイクルを借りる、という手もあるが、そこまでやるなら別方面に行く。姫路だ、明石だ、インフィオラータだ、灘の酒蔵だ、伏見だぁーっ!(おい) 使用する「大阪周遊パス」は「阪急限定版」か「阪神限定版」を使う。「JTB私鉄時刻表」のデータは「土曜・祝日ダイヤ」の方で見ている。
第1案は姫路や明石を外し、高野山参拝を入れた一応「ノーマル」案。各地区の観光は以降の案においてもこれを基本として足し引きしていく。なお、この第1案に限り「どの施設へ行く」を書いたが、いちいち面倒なので「関西限定版3day」優待特典対象施設には(@)を後ろに付けた。
ラストを「神戸観光」として、神戸から名古屋へ戻ることにすると、こういう形になると思う。2日目の「高野山参拝」は定番だ。何しろ、南海難波駅から行くと運賃だけで片道1230円、往復で2460円もかかる。これだけ分「3dayチケット」で使えばあとはかなり楽だ。第1日目は運賃だけで2000円以上、最終日の行き来でもだいたい1500円使うため、運賃だけで6000円以上かかる。第1日目はここまで回れないかもしれないので、松尾神社への参拝は外し、素直に京都経由で宇治へ行っているかもしれないが、そうしたとしてもこの日の運賃は1500円以上になっているだろう。普通に考えるならこれでも十分だが、神戸観光を灘の蔵元巡りごと外して、その時間を姫路や明石散策に当てたらどうなるか。そう考えて作ったのが以下の第2案だ。
問題は姫路からの帰り。行きは少々到着が遅れても何とかするだけだが、帰りがまたもや22時とかだと、自虐ネタにしてブログ上で晒すしかしかない。だいたい、最後を姫路にすることそのものが間違っている。行くなら姫路からスタートすべきだ……が、まともに名古屋から新幹線で姫路に行ったのでは往路行程の移動費用がかかりすぎる。しかし山陽電鉄を使うと三宮〜山陽姫路間は1時間。JR山陽本線快速だとほぼ同時間で新大阪から乗れる。まだ「手」はあるんだが、ここは正直にw「新大阪で在来線に乗り換え」て11時30分までに姫路駅に着き、阪神三宮もしくは阪急三宮近辺の宿泊施設に2連泊できたと想定して第3案を立ててみる。条件、無茶苦茶厳しくないか?
阪神・阪急三宮駅もしくは阪神元町駅周辺の宿泊施設が2連泊で確保できたら、の話。2009年4月より6月まで「あいたい兵庫デスティネーションキャンペーン」が開催中であり、JR西日本が「神戸・姫路ぐるりんパス」(JR東海発売分は「神戸・姫路ぐるりんきっぷ」)を発売している影響で、恐らくこの期間中は例年よりも宿泊者が増えると思う。宿泊先がなければ何ともならない。そんなわけで、もう一つ計画案を立ててみた。
神戸逆戻り+神戸から大阪経由で京都へ……。「逆戻り」は観光施設の会館時間外にしたいところだが、宿泊先が取れない場合は致し方ない。どのみちしたところで「神戸観光をするのに神戸へ逆戻り」は避けられない。三宮もしくは元町の格安ビジネスホテルが取れなければこの第4案、2連泊が確定すれば第3案を決定稿にしよう。ああ、ようやくまとめ上げることができた。日付は4月26日。大丈夫か、こんな遅くに予約開始なんて……。
第3案を意識して1泊目と2泊目を神戸・三宮のホテルで確保したはいいが、3泊目、すなわち5月2日の京都市内泊は「全滅」だ。「楽天トラベル」も「ベストリザーブ」も、前回利用した「堀川イン」もダメ。「ベストリザーブ」で検索した結果、京都市内の宿に至っては一室1万円オーバーの某高層ホテルも満室であることが判明した。嫌な予感がして、逆に1泊目を京都、2・3泊目を神戸として、「ベストリザーブ」で空室検索をかけた。京都はいいが神戸での連泊は「一部満室」の表記が出る。5月2日の「京都市内及び神戸市内宿泊」がネックとみて、「5月2日からシングル一泊、室料の上限なし」で神戸市内にあるホテルの空室を探すと、「ベストリザーブ」では室料が1万円オーバーのホテル以外は軒並み「満室」と出た。ネックは「5月2日」か……。だがこの程度で当計画をお蔵入りにするつもりはない。
この第3案、実は3泊目をわざわざ京都・泊とする必要はなく、大阪市内・泊としてもいい。第3案で、最終日は「関西限定版3day」を使うことになっているから、「関西限定版3day」が利用可能な大阪市内の宿泊先なら別にどこでも構わない。京都との往復にかかる移動時間を差し引いて行動計画を作成するだけの話。
そんなわけで、改めて「ベストリザーブ」で大阪の宿を探してみた。京都市内及び神戸市内の宿が満室になるってことは、ビジネス客の利用が多い大阪市内のホテルは逆に空室があるはずだ。そう考えて大阪北(北区・淀川区方面)にあるホテルの空室状況を見てみると、案の定しっかりとあるではないか。さすがに「有線LAN無料、朝食込み6000円」と絞り込むと途端に少なくなるが、泊まるところがない京都よりはマシだ。一度取り消してしまった神戸・三宮の宿泊先へ予約を再度入れ、3泊目に大阪市内の宿を取った。
とにかく、これで本当に催行決定である。計画案は「鉄道旅行とは『巡る』こと。」の日記本文に記述する。なお、作成した計画及び実行した結果については、このページにもリンクしておく。参考になるようでしたらどうぞ。
当ページに関連する外部リンク(各社局等の公式サイトトップページへのリンク)を以下に示す。適宜参考にしていただきたい。
「スルッとKANSAI」公式サイト | http://www.surutto.com/ |
叡電公式ホームページ | http://www.keihannet.ne.jp/eiden/index.html |
京阪公式ホームページ | http://www.keihan.co.jp/ |
近鉄公式ホームページ | http://www.kintetsu.co.jp |
「OSAKA海遊きっぷ」各社版 | http://www.kotsu.city.osaka.jp/eigyou/price/kaiyu_19_kakusyaban.html |
「スルッとKANSAI 大阪周遊パス」(日本語表示) | http://www.pia-kansai.ne.jp/osp/ja/ |
京都「鳥せい」グループ公式サイト | http://www.torisei.com/ |
伏見:酒蔵「黄桜」直営飲食店リスト | http://www.kizakura.co.jp/ja/chokuei/index.html |
伏見:吟醸酒房「油長」 | http://www.aburacho.co.jp/ |